2022年御翼8月号その3

 

あなたがほんとうになりたいと思う人はこれだ―― ロバート・シュラー博士

 仕事の成功とか個人的な目標を達成することよりももっと重要なことは、その過程においてあなたが身につける性格である。成功するために自分の自尊心を裏切るようなことはけっしてしてはならない。そんなことをすれば、あなたは職業は得られるかもしれないが、人格を失ってしまうだろう。「たとえ全世界を手に入れようとも、自分の魂を失うならば、それはその人になんの益するところがあろうか?」(ルカ9・25)とイエスもいっておられるとおりである。あなたは自分がなしとげたことに誇りをもちたいと思っているだけでなく、それをやりとげた方法についても誇りをもちたいと思っているはずなのである。「いったい自分はどんな種類の人間なのだろうか?」と自分自身に問うてみることである。

あなたは「アイ・アイ(I-I)人間」か
 「アイ・アイ(私・私)人間」とは、不安定な自我を満足させること、自分の利己的な快感を満足させること、自分のやりたいことをやることなどに感情的な喜びを見いだす人間のことである。彼の価値体系を二言で要約するならば、「私は自分のしたいことを、したいときに、したいようなやり方でやる」ということである。

あなたは「アイ・イット(I-It)人間」か
 「アイ・イット(私・それ)人間」は第一に物質に強い関心をもっている。彼らは物質のなかに感情的充実を見いだす。
このような人々にとっては、人間でさえ物質になってしまいかねない(人は、希望、感情、夢をもった個人なのだ)。
このような人は本当に愛することがない。「私があなたを愛するのはあなたがほしいからだ」「私があなたを愛するのはあなたが必要だからだ」というの、が、「アイ・イット人間」の愛の本音なのである。

あなたは「アイ・ユー(I-You)人間」か
 ほかの人々と人間としてつきあう人は「アイ・ユー(私・あなた)人間」である。このような人は、ほかの人々を、夢や欲望や精神的苦痛や欲求をもった人間としてみる。「アイ・ユー人間」となってはじめてわれわれは、動物から人間のレベルへと移っていくのである。

 「アイ・ユー人間」になるためには、その人の心のなかでの深い精神革命が必要である。聖霊があなたのなかに入るようにしなさい。そうすればあなたは新しい人間になるはずである。聖パウロは、「どんな人だろうとキリストを信ずるならば、その人は新しい生物となる」と書いている。このようなことがどのようにして起こりうるのであろうか?「人間は生まれ変わるのでなければ、天の王国に入ることはできない」(ヨハネ3・3)とイエスはいっている。利己的な人間もキリストのような人に変わることができるのである。キリストを自分の生活のなかに受入れた人間は何百万とこの地球上にいる―そして彼らは変わったのである。彼らは愛することができるようになった―自分の利益は考えないで。あなたが「アイ・ユー人間」になれるのは、あなたが(アイ・ヒム 私・主イエス)人間」になったときなのである。

「アイ・ヒム(I-Him)人間」になりなさい
 キリストに身をささげなさい。キリストの精神をあなたの人格のなかにもちこみなさい。そうすれば、ビル・キングのように、あなたは人々を愛するようになるだろう。トップに登れるようになるだろう。そして、そのようなことをする自分自身を愛するようになるだろう。そのようになってはじめてあなたは、自分がほんとうになりたいと思う人になれるのである。
ロバート・H・シュラー『あなたは思いどおりの人になれる』(産能大学出版部刊)より


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