2021年御翼7月号その2

       

聖書信仰 vs.キリスト信仰

  福音派(英: Evangelical エヴァンジェリカル)は、キリスト教のプロテスタントを神学や信仰の姿勢によって比較分類する際に用いられる用語である。日本の福音派とは、「聖書は神の霊感によって書かれ、誤り無い神のことばであるという、聖書の十全霊感(聖書信仰)を信じるすべての教会」である。(十全霊感とは、聖書の霊感が、救いや信仰のことがらだけではなく、科学や歴史の領域にも及んでいるとする聖書観。)

 自由主義神学(英: Liberal theology, Theological liberalismリベラル、リベラリズム)は、キリスト教のプロテスタントの神学的立場の一つ。その発生以来、プロテスタント教会の主流エキュメニカル派の多くが採用する立場。「自由主義」の語は社会学・政治学用語からの仮借(かしゃく)であり、神学分野では「歴史的・組織的な教理体系から自由に、個人の理知的判断に従って再解釈する」の意である。

自由主義神学の特徴
  • 聖書に記されている神話的要素(天地創造、ノアの箱舟、バベルの塔、ヨシュア記等)を必ずしも科学的
  • 歴史的事実とは主張せず、宗教的に有益な寓話(若しくは神話・説話・物語等々)とみなす。
  • 聖書本文に対する批評的な研究・解釈、非神話化を支持し、書かれた言葉が書かれた時代の人々にどう読まれたかを解釈の第一義とする。各書の成立にまつわる伝説(モーセ五書の著者はモーセ、イザヤは一人の預言者イザヤによる、など)を必ずしも採用せず、聖書無謬(むびゅう)説、逐語霊感説、聖書無誤(むご)を採らない。
  • 古文書学の他、考古学、史学の成果も最大限活用して古代の信仰のありようを分析し、そこから現代の課題に合わせたキリスト教信仰を再構築しようとする。
  • 一部の甚だしく急進的な派では、イエスの母マリアの処女懐胎やイエスの復活をも事実とはせず、神の存在をも肯定しない。この段階に達すると、聖書と基本信条に示される三位一体の神を信じる、歴史的なキリスト教の正統信仰の枠から、完全に逸脱する。異端神学というより、その宗教性そのものが根本から問われる。

 正典的聖書解釈 牛込キリスト教会、及びカリフォルニア神学大学院日本校は、科学や歴史の領域にも聖書は誤りが無いとする、「福音派(聖書信仰)」ではない。聖書考古学や歴史にも照らし合わせ、聖書を批評し、解釈する。だからといって、個人の理知的判断に従って聖書を全く自由に解釈するのでもない。私たちはキリストの言葉を中心に、信仰と生活の規範として、即ち、神の前における人間の姿(アイデンティティー)と生活様式(ライフスタイル)を知るために聖書を読む。これが「正典的聖書解釈」である。それは、「聖書信仰」ではなく、「キリスト信仰」であり、イエス様の言葉を中心に聖書を「自由に」解釈する。

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