2017年御翼7月号その1

                           

「天国からの奇跡(MIRACLES from HEAVEN)」
―少女に起きた奇跡と感動の実話(2016年公開映画)

 テキサスに住むビーム家の次女アナ(10歳)は、幼い頃から、重い消化器疾患のため、入退院を繰り返していた。食べた物を胃の中に留めておけずに、吐いてしまうという原因不明の症状に悩まされていたのだ。母クリスティの努力で、ようやくボストンの大病院で、世界的に有名な医師に診てもらうことになる。検査入院すると、アナはヘイリーという白血病の少女と仲良くなった。ヘイリーは、アナが着けている十字架のネックレスについて尋ねる。アナは、このネックレスはイエス様が自分と共にいてくれている事を思い出させてくれるものだと説明した。ヘイリーは父親に、アナが死を目の前にしても怖がることはないと言って安心させてくれたと話した。ところが、ヘイリーの父親のベンは、アナの母クリスティに、「お譲さん(アナ)が、うちの子(ヘイリー)に、変な事を吹き込むのは困る。下手な希望とかは抱かせたくない」と言う。クリスティはベンの気持ちを受け止めた。やがてアナの検査結果が出た。それは、神経の異常から、脳の命令が消化器官に伝わらず、胃から下が麻痺しており(機能性胃腸障害)、死にいたる可能性もあるが、治療法はないと言う。
 失意のうちにテキサスの自宅に戻ったある日、アナは姉に誘われ、木登りをしていたが、幹の空洞の中を約9メートルも落ちてしまう。救急隊員やマスコミが到着すると、母は泣き崩れ、主の祈りを祈り始めた。すると、獣医の夫も、娘たち、隊員たち、近所の人たちも加わった。意識不明のまま病院に搬送されたアナは、何と落下による軽い脳震とう以外には、ケガはなかった。退院して普通の生活を始めると、木から落ちる前よりも元気になっていた。ボストンの専門医は、医学的な説明はできないが、アナの病状はなくなっているという。アナは、木から落ちて頭を打った時、全てが真っ暗になり、幽体離脱をしていた。そして、天国で神様と話し、アナ自身はそこに留まっていたかったが、神様が戻りなさい、戻れば病気は治っていると言われたのだった。
 ビーム家は一家で教会に戻る。礼拝でクリスティは、こう話した。「アインシュタインは、人生には道が二つあると言いました。一つは、奇跡など存在しないと思う道、もう一つは、すべてが奇跡だと思う道です。私は今まで、奇跡など存在しないと思ってきたので、多くの奇跡を見逃しました。奇跡はどこにでもあります。奇跡とは優しさです。奇跡は、何があっても支えてくれる友人でもあります。奇跡とは、愛です。奇跡は神ご自身。そして神はわたしたちを赦してくださいます。皆さんが今、苦しんでいたとしても、決して一人ではありません。神さまは奇跡を通して、側にいる、と教えてくださっています」と。
 クリスティが話を終えると、心無いカップルが無神経にも、アナは本当に病気だったのか、全部注目を集めるための手段ではないのかと言いだした。すると一人の男性が立ち上がり、自分はクリスティの話を信じると言った。それは白血病の少女ヘイリー(10歳)を亡くした父親ベンであった。「ヘイリーはアナと出会ってからの最期の数週間は、怖がらなくなり、愛に満ちていた。娘は神を感じた。それはアナが教えてくれた。神に委ね、安らぎを得た。だから、アナにお礼を言いに、遠いボストンから来た」とベンは会衆の前で証言したのだった。


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