2018年御翼5月号その2

                           

神を畏れた政治家―ゴルバチョフ

  1980年代、社会主義経済が行き詰まった旧ソビエト連邦で、自由を回復させる再構築(再改革)、ペレストロイカを提唱・実践したのが、当時、ソ連共産党書記長だったミハイル・ゴルバチョフである。冷戦を終結させ、1990年にソ連初の大統領となり、同年ノーベル平和賞を受賞したゴルバチョフ元大統領が2000年10月15日(日)、ロサンゼルスのクリスタル・カテドラルの礼拝に出席した。その際、ゴルバチョフ氏は、ロシア正教会の復興こそ、ペレストロイカがもたらした最も重要な出来事の一つだと語った。
 シューラー牧師:「その背後には、お母さんの祈りがありました。祈りは奇跡を起こします。あなたの人生を見ていると、それは祈りの答えであったことが分かります。あなたは御自分のことを無神論者と言ってきましたが、神様の御手はあなたの上にあり、あなたを用いてこられました。神はあなたを愛しておられます。なぜならば、あなたが赤子の時に、お母さんが祈っておられたからです。祈りは木のように成長するのです。母親は地上を去りますが、お母さんの祈りは生き続けています。今、あなたがここにおられることを、お母さんはたった今喜んでおられることでしょう」
ゴルバチョフ氏:「私の先祖は、代々クリスチャンであり、親戚中がキリスト信者でした」
シューラー牧師:「あなたの夫人は、母体が危険になるとの理由で、子どもは産めないと言われてきました。その奥様が妊娠され、美しく可愛いお嬢さんが生まれたのです。そのとき、あなたは神の御業だと言ったのでした」
 更にゴルバチョフ氏は、「どんな国も、神が創造されたのですから、一流の国だとか、二流の国だなどとレッテルを貼ってはなりません」と言う。
 シューラー牧師:「あなたのこれまでの発言の中で、最も衝撃的だったものをここでご披露致しましょう。大変な驚きでした。素晴らしい発言で、涙が出ました。私はブッシュ大統領から、プライベートな会議に招待されました。そこには、冷戦に関わっている首脳が集まるというのです。そこでの話題の一つは、核を使わずして、どうやって冷戦を終結させたのか、ということでした。会議ではブッシュが、ミッテランが、あなたが、サッチャーが発言しました。24時間会議が続き、最後に司会者が、皆様大変お疲れさまでした、と言って、会合は終わったのです。すると、あなたが自発的に最後の一言を言ったのでした。『そして、私たちは、決してイエス・キリストを忘れてはならない』と」

 御翼一覧  HOME