2018年御翼4月号その2

                           

啓示を受けて導かれた佐々木満男弁護士

 困難を祈りによって突破するために
Norman Vincent Peale, The Tough-Minded Optimist
① 思考が問題に占有されないよう緊張を解き、神だけに焦点をあてる。その後、問題に立ち向かうと、洞察力は研ぎ澄まされ、思考力も高まる。
② 静かな祈りの時を毎日持ち、神の指示に耳を傾ける。自分の思いよりも、神の御声を聞こう。
③ どんな仕事にも神を迎え入れる。
④ 神が魂に働き掛けられるように、魂の「接点」をきれいにしておく(へりくだる、この世的な目、自己中心にならない、疑わない)。
⑤ 何をどのようにすべきかを、祈りの中で主に尋ねる。そして、神に信頼しながら、与えられた思いを実行する。

 神にお委ねして、一歩ずつ困難に立ち向かう者には、状況は益となる方向へと発展していく。自分の力では何もできない状況であることを知り、全てを神にお委ねした時にこそ、祈りによる答えは与えられる。

「これほどお願いしてもだめですか。ではもうこれ以上、お頼みいたしません!」大手企業の担当部長は語気を荒げてこう言うと、弁護士の佐々木満男先生をにらみつけて会議室を出ていった。一緒に来た銀行の担当課長、顧問弁護士、顧問公認会計士も不満と怒りで床をけり、あいさつもせずに帰っていった。その数カ月前、銀行が豊富な実務経験と法律・会計の知恵を結集して作り上げた複雑な国際取引の手法を、その企業に売り込んだ。銀行側の弁護士・会計士のお墨付きがあるのですっかり信用した企業が、自社用の弁護士のお墨付きをもらうために、先生のところに来たのだ。一回で数百億円の利益が出るという取引上の手法をぜひ採用したいので、「日本の法律上、なんら問題はない」という弁護士の意見書にサインしてほしい、という依頼だった。
調べてみると、それは巧妙にできていて、一つ一つの取引は合法と言えた。しかし、全体的に見ると脱法的に思えたので、サインを断った。その後、彼らはより合法的に変更したものを持ってきた。検討した結果、これも全体的には違法だと判断して断った。すると何と、さらに合法的に修正したものを持ってきたのだ。彼らのあまりの熱心さに、「ここまで巧妙にできていれば、当局にもわからないのではないだろうか。私がサインすれば彼らは喜ぶし、私にも多額の報酬が入る。それを福音宣教に用いれば、神様にも喜んでもらえるのではないか」と思い、かなり迷った。しかし、静まって聖書を読み、祈っていると、どうしても「違法は違法だ」としか思えない。結局、三度とも断固としてサインを拒否したのだ。
するとその後、相談に来た企業は別件の違法行為で摘発され、部長は首になった。銀行は法律違反で当局から一部業務閉鎖を命じられ、顧問弁護士は不祥事を起こし、失脚、粉飾決算で倒産した別の会社の監査をしていた顧問公認会計士の事務所は、解散に追い込まれた。お金の魔力のものすごさと、それを遥かにしのぐ神の救いの素晴らしさを、佐々木先生は身をもって体験されたのだ。
伝道したいという使命感はあっても、自分で何とかしようと思うと、人や金に頼りそうになる。しかし、一人静かに祈り、聖霊に導かれ、神からの啓示を受けると、神にお委ねすることができる。その結果は、神が最善にしてくださるのだ。

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