2017年御翼3月号その4

                        

『まじめに生きるのを恥じることはない』―ジョン・ウッデン監督

1960年代~70年代半ばまで、UCLAのバスケットボール・チームのジョン・ウッデン監督(一九七五年引退)は、NCAA(全米大学競技協会)で十回チームを優勝させ、そのうち七回が連続優勝であった。クリスチャンのウッデン監督の目標達成や成功、人生の美徳に関する指針は、人の生き方に幅広く応用できる。以下はジョン・ウッデン『まじめに生きるのを恥じることはない』からである。
 
小学校の卒業式の日、(小遣い二ドルと共に)父はのちに私の全人生、すなわち仕事、結婚、目標、哲学などすべての領域にわたって影響を与えることになる指針が書かれたカードを贈ってくれた。

 真実の人生を送るために 大切なことは四つある。
―混乱せずに明晰に考えること。
―隣人を心から愛すること。
―純粋な動機に基づいて誠実に行動すること。
―神と天国に揺るぎない信頼を寄せること。
[ヘンリー・ヴァン・ダイクという高名な牧師の詩]

 カードの反対側には、父の信条が書かれていた。
([]内はウッデン氏によるコメント。)
六つのすべきこと
1 自分に正直であれ。
[自分に正直でない人は、配偶者、家族、同僚といった周囲の人々に対しても正直になれない。]
2 他人を助けよ。
[施しは三人の飢えを満たす。与えた人自身、腹を空かせている隣人、そしてそれを見た人である。――詩人ジェイムズ・ラッセル・ロウエル
マタイ7・12 「だから、人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい。これこそ律法と預言者である。」見返りを期待せずに、献身的に他人に与えなければ、決して幸福にはなれない。]
3 一日一日を精いっぱい生きよ。
[一日一日を最高の出来にするために全力を尽くすことだ。そうれを実行すれば、素晴らしい結果が待っている]
4 良書を精読せよ。
5 友情を芸術(熟練)の域にまで高めよ。
[友情とは、献身的に与え、分かち合うことである。一方が与えているだけでは友情は成立しない。お互いに尽くし合ってこそ、友情が育まれるのだ。それは気遣いと思いやりとを示すことである。]
6 自分が享受している恵みに日々感謝せよ。
[私たちは、欲しいものにこだわるあまり、自分が持っているものに気づいていないことがよくある。何もせずに手に入った多くの恵みについては、たいてい心から感謝していない。例えば、自分の命、草木、家族や友人など。この瞬間もである。ある賢人がこんなことを言っている。「もし私たちが、失望を大げさに考えるのと同じように、恵みも大げさに考えるなら、この世の中はどれだけ楽しくなるだろうか」と。]

あなたは人と同じようにすぐれている
私の父がよく口にしていた言葉を紹介しよう。「自分が人よりもすぐれているなんて思っちゃいけない。人と同じように、おまえもすぐれているんだ」

成功とは自分の最善を尽くすこと
UCLAの監督をしていた時代に仮に一回も全米優勝できなかったとしても、私は自分が成功者だと思っただろう。その理由は、私は自分でいくらかコントロールできる他のことをもとに自分を評価しているからだ。たとえば、最高のチームをつくり出すために自分がどれだけ努力したか、である。もし一回も優勝できなかったら、確かにがっかりはしただろう。しかし、自分なりに成功したと思い、努力したことによって心の平和を得ていただろう。
あらゆる方法で全力を尽くせば、成功者なのだ。具体的には、結婚生活、仕事、地域社会、国のために、最善の努力をして貢献すること――それが人生の目標である。

成功とは、結果ではなく、その都度、最善を尽くしているかどうかなのだ。常に最善を尽くしているかどうかが大切なのであり、その過程において、神は事の成り行きをご覧になって配慮される。

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