2月28日

旧約 ヨブ記29章

[ 29 ] ◆ヨブの嘆き

29:1 ヨブは言葉をついで主張した。 29:2 どうか、過ぎた年月を返してくれ/神に守られていたあの日々を。 29:3 あのころ、神はわたしの頭上に/灯を輝かせ/その光に導かれて/わたしは暗黒の中を歩いた。 29:4 神との親しい交わりがわたしの家にあり/わたしは繁栄の日々を送っていた。 29:5 あのころ、全能者はわたしと共におられ/わたしの子らはわたしの周りにいた。 29:6 乳脂はそれで足を洗えるほど豊かで/わたしのためには/オリーブ油が岩からすら流れ出た。 29:7 わたしが町の門に出て/広場で座に着こうとすると 29:8 若者らはわたしを見て静まり/老人らも立ち上がって敬意を表した。 29:9 おもだった人々も話すのをやめ/口に手を当てた。 29:10 指導者らも声をひそめ/舌を上顎に付けた。 29:11 わたしのことを聞いた耳は皆、祝福し/わたしを見た目は皆、賞賛してくれた。 29:12 わたしが身寄りのない子らを助け/助けを求める貧しい人々を守ったからだ。 29:13 死にゆく人さえわたしを祝福し/やもめの心をもわたしは生き返らせた。 29:14 わたしは正義を衣としてまとい/公平はわたしの上着、また冠となった。 29:15 わたしは見えない人の目となり/歩けない人の足となった。 29:16 貧しい人々の父となり/わたしにかかわりのない訴訟にも尽力した。 29:17 不正を行う者の牙を砕き/その歯にかかった人々を奪い返した。 29:18 わたしはこう思っていた/「わたしは家族に囲まれて死ぬ。人生の日数は海辺の砂のように多いことだろう。 29:19 わたしは水際に根を張る木/枝には夜露を宿すだろう。 29:20 わたしの誉れは常に新しく/わたしの弓はわたしの手にあって若返る。」 29:21 人々は黙して待ち望み/わたしの勧めに耳を傾けた。 29:22 わたしが語れば言い返す者はなく/わたしの言葉は彼らを潤した。 29:23 雨を待つように/春の雨に向かって口を開くように/彼らはわたしを待ち望んだ。 29:24 彼らが確信を失っているとき/わたしは彼らに笑顔を向けた。彼らはわたしの顔の光を/曇らせることはしなかった。 29:25 わたしは嘆く人を慰め/彼らのために道を示してやり/首長の座を占め/軍勢の中の王のような人物であった。

新約 使徒言行録27:13-26

◆暴風に襲われる

27:13 ときに、南風が静かに吹いて来たので、人々は望みどおりに事が運ぶと考えて錨を上げ、クレタ島の岸に沿って進んだ。 27:14 しかし、間もなく「エウラキロン」と呼ばれる暴風が、島の方から吹き降ろして来た。 27:15 船はそれに巻き込まれ、風に逆らって進むことができなかったので、わたしたちは流されるにまかせた。 27:16 やがて、カウダという小島の陰に来たので、やっとのことで小舟をしっかりと引き寄せることができた。 27:17 小舟を船に引き上げてから、船体には綱を巻きつけ、シルティスの浅瀬に乗り上げるのを恐れて海錨を降ろし、流されるにまかせた。 27:18 しかし、ひどい暴風に悩まされたので、翌日には人々は積み荷を海に捨て始め、 27:19 三日目には自分たちの手で船具を投げ捨ててしまった。 27:20 幾日もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消えうせようとしていた。 27:21 人々は長い間、食事をとっていなかった。そのとき、パウロは彼らの中に立って言った。「皆さん、わたしの言ったとおりに、クレタ島から船出していなければ、こんな危険や損失を避けられたにちがいありません。 27:22 しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうちだれ一人として命を失う者はないのです。 27:23 わたしが仕え、礼拝している神からの天使が昨夜わたしのそばに立って、 27:24 こう言われました。『パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなければならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ。』 27:25 ですから、皆さん、元気を出しなさい。わたしは神を信じています。わたしに告げられたことは、そのとおりになります。 27:26 わたしたちは、必ずどこかの島に打ち上げられるはずです。」

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