1月10日

旧約 ヨブ記9章

[ 9 ]

9:1 ヨブは答えた。 9:2 それは確かにわたしも知っている。神より正しいと主張できる人間があろうか。 9:3 神と論争することを望んだとしても/千に一つの答えも得られないだろう。 9:4 御心は知恵に満ち、力に秀でておられる。神に対して頑になりながら/なお、無傷でいられようか。 9:5 神は山をも移される。怒りによって山を覆されるのだと誰が知ろう。 9:6 神は大地をその立つ所で揺り動かし/地の柱は揺らぐ。 9:7 神が禁じられれば太陽は昇らず/星もまた、封じ込められる。 9:8 神は自ら天を広げ、海の高波を踏み砕かれる。 9:9 神は北斗やオリオンを/すばるや、南の星座を造られた。 9:10 神は計り難く大きな業を/数知れぬ不思議な業を成し遂げられる。 9:11 神がそばを通られてもわたしは気づかず/過ぎ行かれてもそれと悟らない。 9:12 神が奪うのに誰が取り返せよう。「何をするのだ」と誰が言いえよう。 9:13 神は怒りを抑えられることなく/ラハブに味方する者も/神の足もとにひれ伏すであろう。 9:14 わたしのようなものがどうして神に答え/神に対して言うべき言葉を選び出せよう。 9:15 わたしの方が正しくても、答えることはできず/わたしを裁く方に憐れみを乞うだけだ。 9:16 しかし、わたしが呼びかけても返事はなさるまい。わたしの声に耳を傾けてくださるとは思えない。 9:17 神は髪の毛一筋ほどのことでわたしを傷つけ/理由もなくわたしに傷を加えられる。 9:18 息つく暇も与えず、苦しみに苦しみを加えられる。 9:19 力に訴えても、見よ、神は強い。正義に訴えても/証人となってくれるものはいない。 9:20 わたしが正しいと主張しているのに/口をもって背いたことにされる。無垢なのに、曲がった者とされる。 9:21 無垢かどうかすら、もうわたしは知らない。生きていたくない。 9:22 だからわたしは言う、同じことなのだ、と/神は無垢な者も逆らう者も/同じように滅ぼし尽くされる、と。 9:23 罪もないのに、突然、鞭打たれ/殺される人の絶望を神は嘲笑う。 9:24 この地は神に逆らう者の手にゆだねられている。神がその裁判官の顔を覆われたのだ。ちがうというなら、誰がそうしたのか。 9:25 わたしの人生の日々は/飛脚よりも速く飛び去り/幸せを見ることはなかった。 9:26 葦の小舟に乗せられたかのように流れ去り/獲物を襲う鷲のように速い。 9:27 嘆きを忘れよう/この有様を離れて立ち直りたいと言ってみても 9:28 苦しみの一つ一つがわたしに危惧を抱かせ/無罪と認めてもらえないことがよく分かる。 9:29 わたしは必ず罪ありとされるのだ。なぜ、空しく労することがあろうか。 9:30 雪解け水でからだを洗い/灰汁で手を清めても 9:31 あなたはわたしを汚物の中に沈め/着ているものさえわたしにはいとわしい。 9:32 このように、人間ともいえないような者だが/わたしはなお、あの方に言い返したい。あの方と共に裁きの座に出ることができるなら 9:33 あの方とわたしの間を調停してくれる者/仲裁する者がいるなら 9:34 わたしの上からあの方の杖を/取り払ってくれるものがあるなら/その時には、あの方の怒りに脅かされることなく 9:35 恐れることなくわたしは宣言するだろう/わたしは正当に扱われていない、と。

新約 使徒言行録18:1-17

[ 18 ] ◆コリントで

18:1 その後、パウロはアテネを去ってコリントへ行った。 18:2 ここで、ポントス州出身のアキラというユダヤ人とその妻プリスキラに出会った。クラウディウス帝が全ユダヤ人をローマから退去させるようにと命令したので、最近イタリアから来たのである。パウロはこの二人を訪ね、 18:3 職業が同じであったので、彼らの家に住み込んで、一緒に仕事をした。その職業はテント造りであった。 18:4 パウロは安息日ごとに会堂で論じ、ユダヤ人やギリシア人の説得に努めていた。 18:5 シラスとテモテがマケドニア州からやって来ると、パウロは御言葉を語ることに専念し、ユダヤ人に対してメシアはイエスであると力強く証しした。 18:6 しかし、彼らが反抗し、口汚くののしったので、パウロは服の塵を振り払って言った。「あなたたちの血は、あなたたちの頭に降りかかれ。わたしには責任がない。今後、わたしは異邦人の方へ行く。」 18:7 パウロはそこを去り、神をあがめるティティオ・ユストという人の家に移った。彼の家は会堂の隣にあった。 18:8 会堂長のクリスポは、一家をあげて主を信じるようになった。また、コリントの多くの人々も、パウロの言葉を聞いて信じ、洗礼を受けた。 18:9 ある夜のこと、主は幻の中でパウロにこう言われた。「恐れるな。語り続けよ。黙っているな。 18:10 わたしがあなたと共にいる。だから、あなたを襲って危害を加える者はない。この町には、わたしの民が大勢いるからだ。」 18:11 パウロは一年六か月の間ここにとどまって、人々に神の言葉を教えた。 18:12 ガリオンがアカイア州の地方総督であったときのことである。ユダヤ人たちが一団となってパウロを襲い、法廷に引き立てて行って、 18:13 「この男は、律法に違反するようなしかたで神をあがめるようにと、人々を唆しております」と言った。 18:14 パウロが話し始めようとしたとき、ガリオンはユダヤ人に向かって言った。「ユダヤ人諸君、これが不正な行為とか悪質な犯罪とかであるならば、当然諸君の訴えを受理するが、 18:15 問題が教えとか名称とか諸君の律法に関するものならば、自分たちで解決するがよい。わたしは、そんなことの審判者になるつもりはない。」 18:16 そして、彼らを法廷から追い出した。 18:17 すると、群衆は会堂長のソステネを捕まえて、法廷の前で殴りつけた。しかし、ガリオンはそれに全く心を留めなかった。

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